今週調べた単語 (190127~190203)

ヘッダーガード
include文はそのファイルの記述を機械的に展開するだけであるため、複数のファイルで同じヘッダーをincludeした場合、変数などの定義が重複(複数回定義)される可能性がある。

そこで、ifndef文で定義を囲い、重複を回避する。

インクルードガード | 闇夜のC++

【C++】.hpp .hファイルって何だ?! - OFとC++初心者の日記

KPI, KGI

KPIはkey performance indicatorの略で、組織やチームで設定した最終的な目標を達成する際における中間指標のこと。「重要業績評価指標」などと訳される。

また,KGIはKey Goal Indicatorの略で、「重要目標達成指標」などと訳される。

KGIは組織やチームで設定した最終的な目標であり、そのゴールに近づくための中間的な指標がKPIでである。

例えば、KGIを「年間の売上1億円」とすると、月の売上は1000万円程度が目安となる。これをKPIとする。

逆に、「10年で売上を10億円まで伸ばす」というKGIを掲げれば、年間の売上はKPIになる。

このように、達成したい目標のスケールによって同じ成果であってもKPIになったりKGIになったりする。

漫然と作業をするのではなく何がKGIで何がKPIなのかを意識することが重要なようだ。

「KPI」とは? 正しい意味と使い方、その効果とKGIも紹介【ビジネス用語】 | マイナビニュース

即身仏
僧侶が瞑想状態のまま絶命して仏になったもの。

密教系の日本仏教の一部では、僧侶が土中の穴などに入って瞑想状態のまま絶命し、ミイラ化した物を「即身仏」(そくしんぶつ)と呼ぶ。仏教の修行の中でも最も過酷なものとして知られる。

似た単語に即身成仏というものがある。こちらは生きたまま悟りに至り、仏になることを指す。

現世において仏になることは同じだが、即身仏は「(死んだ人間が)ミイラとして、物理的な身体が仏になる」という、肉体的・物理的な意味合いが強いのに対して、(真言密教における)即身成仏は「(生きた人間が)現世に存在しながら、異次元の大日如来と結合して仏となる」という意味であり、現象学でいうところの「実在」と「現象」の結合が主眼で、物理的な意味合いは薄い。

ミイラ - Wikipedia

即身成仏 - Wikipedia

モスラの歌
映画「モスラ」の劇中歌。インファント島の住民である小美人がモスラを呼び覚ますために歌う。

オリジナルはザ・ピーナッツが歌っており、民族的な打楽器が印象的である。

www.youtube.com

教師に面と向かって反抗する生徒について、三島由紀夫はこう心配している

有名な『不道徳教育講座』に「教師を内心バカにすべし」というものがある。長いので抜粋する。

学校の先生を内心馬鹿にしないような生徒にろくな生徒はない。教師を内心バカにしないような学生は決してえらくならない。……こう私は断言します。しかしこの「内心」という言葉をよく吟味してください。この一語に千鈞の重みがあるのですから。

(中略)

学校の教師はズレていると諸君は思う。よろしい。我々の少年時代にも、教師はたいていズレていて、その時代的センスたるや、噴飯ものであった。一方ではバカに新しがりの教師がいて、こういう教師は一層鼻持ちならなかった。我々が内心教師をバカにしていたのも無理はない。

(中略)

少年期そのものについては、諸君の方が先生よりよく知っているのだ。人生は忘却のおかげで生きやすくなっているので、かりにもし、諸君の悩みを一緒に本当に悩んでいる先生がいるとしたら、先生自身、大人と少年の矛盾にこんぐらがって、自殺してしまうにちがいありません。

(中略)

理解されようとのぞむのは弱さです。先生たちは教育しようとします。訓示を与えます。知識を与えます。理解しようとします。それはそれでいい。それが彼らの職業なのですから。

しかし諸君の方は理解されようと願ったり、どうせ理解されないとすねたり、反抗したりするのは、いわば弱さのさせる甘えに過ぎぬ。「先生なんて、フフン、俺たちを理解なんかできるもんか」と、まず頭から、考えてまちがいない。その上で、「フフン、勉強はしてやるが、理解なんかされてやらないぞ」という気概を持てばいい。私の言いたいのはそこです。

(中略)

先生にあわれみを持つがよろしい。薄給の教師に、あわれみを持つのがよろしい。先生という種族は、諸君の逢うあらゆる大人の中で一等手強くない大人なのです。ここを間違えてはいけない。これから諸君が逢わねばならぬ大人は、最悪の教師の何万倍も手強いのです。

そう思ったら、教師をいたわってて、内心バカにしつつ、知識だけは十分に吸いとってやればよろしい。人生上の問題は、子供も大人も、全く同一単位、同一の力で、自分で解決しなければならないと覚悟なさい。

(中略)

この世の中で先生ほどえらい、なんでも知っている、完全無欠な人間はいない、と思い込んでいる少年は一寸心細い。しかし一方、「内心」ではなく、やたらに行動にあらわして、先生をバカにするオッチョコチョイ少年も、やっぱり弱い甘えん坊なのだと言って、まず間違いはありますまい。

自分の悩みは自分で解決しろ、先生に悩みを理解してもらおうなんて思うな、というさすがのマッチョ思想である。

ただ、先生は大人の中でも御しやすい方だというのは確かだろう。プライベートはともかく、生徒と先生という関係ならなおさらだ。

不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

友達作りにヒトの生態を見る『友だち作りの科学』 その4 よいスポーツマンシップを見せること

『友だち作りの科学』では、スポーツマンシップを理解することが友人との関係を作るのに重要だとしている。

スポーツマンシップという言葉は選手宣誓で聞く単語だ。小、中、高とサッカーをやっていたが、それが何かについては教わることがなかったように思える。

部活の顧問もスポーツマンシップを持ち合わせているようには見えなかった*1

そもそも、スポーツマンシップとは何なのか。

スポーツマンシップの軸

スポーツマンシップの原則は次の3つだという。これは運動にかかわらず、ゲームなど何かしらの勝負全般に言えることだ。

  • 仲間意識:誰もが楽しい時を過ごす(勝利が目的ではない)
  • 公正な行動:道徳的に正しくみんなで公平に遊ぶ
  • セルフコントロール:自分の感情や行動をコントロールする

これらの原則を満たすため、特に親しくない相手とスポーツをするときには、次の行動を取る、もしくは取らないよう心掛けると良いという。

  • 他者を褒めること
  • ルールに従ってプレイすること
  • 共有することと交代すること 独り占めをしない
  • 審判をしない
  • コーチをしない
  • 強い競争心を持たない(楽しむこと、友人関係を続けること)
  • 誰かが傷ついている(物理的、精神的に)時は気遣いを示し手助けをする
  • 退屈な時には活動を変えることを提案する(「退屈だ」とは言わない)
  • 負け惜しみ(負けを認めないこと)を言わない
  • 嫌な勝者にならない(調子に乗りすぎない、煽らない)
  • ゲームが終わったら「いいゲームだったね」と言う

当たり前といえば当たり前だが、これらを守らない人がいると確かに不愉快になる。

個人的に興味深いのは、審判やコーチをするのはあまりよくないということだ。

あくまでも楽しむことが目的であり、厳密さや正しさはある程度犠牲にすることが大事だということだろう*2

どこまで正しさを求めるかは人によるため、その範囲が合う人と付き合うとよい。

また、負けを素直に認めることも大事だという。

そこでの勝ち負けはその後の関係の上下を決めるものではない。

勝ったからといって調子に乗るのは論外だが、負けたからといって卑屈になる必要もない。

相手のプレーを認める

勝つにしても負けるにしても、相手のプレーを認めることが大事らしい。

  • やったね
  • 惜しい
  • ナイスショット
  • うまい
  • ナイスプレー
  • イケてるよ
  • ハイタッチ
  • 拳でタッチ
  • 手を握って親指を立てる
  • 拍手
  • 握手
  • 背中をポンと叩く

などが相手のプレーを認める言動の代表である。

最後に

4つの記事にわたって、友達づくりについて書いてきた。

記事に書いたもの以外にも、たとえば友人を部屋に招待するときの動き方や、メールでのやり取り、噂話への対応など多くのトピックが扱われていて面白かった。

それぞれの話題について、問題を抱えていた子どもがそれを克服していく実例が示されている。

それはヒトという動物が、群れになじんでいく過程を見るドキュメンタリーのようで感動的だ。

この本はソーシャルスキルに悩みを持つ子どもと、その親向けに書かれたものだが、大人が読んでも十分参考になる。

このような方法論が確立されているのはさすがアメリカといった感じだが、それだけ悩む人も多いということだろう。

もちろん、アメリカで開発された方法が日本でもそのまま適用できるとは限らない。

ただ、これまで見てきた内容はかなり日本でも成立すると感じる。

ヒトがどんな行動をする他人を仲間だとみなし、また敵だとみなすのかについて、この本は一つの答えを与えてくれるように思う。

友だち作りの科学―社会性に課題のある思春期・青年期のためのSSTガイドブック

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*1:今だったらパワハラ扱いされるような言動が多かった

*2:強豪校はまた違うのだろうが