懸垂ができない人間ができないなりにスパルタンレースのモンキーバーとマルチリグの攻略法を考える
スパルタンレースの障害物の中で特に難しいと感じるのはモンキーバーとマルチリグである。
これまでに2回スパルタンレースに参加したことがあるのだが、他の障害物は気合でなんとかなっても、この2つは手も足も出なかった。
というわけで、来る7/6の大会に向けて、モンキーバーとマルチリグの攻略方法について考える。
断っておくと、これから書く方法で攻略できたわけではない。おそらくこれで攻略できる(少なくとも改善はする)と考えたため、それに従ってトレーニングをしていくつもりだという決意表明である。
目次
結論
- 攻略に必要なのは腕力というよりも握力(もちろん腕力があるに越したことはない)
- 握力は体重の半分程度を30秒~1分出力し続ける必要がある
- 手袋の助けを借りるとよい
タイトルにもあるように、私はこの記事を書いている段階では懸垂ができない。
ただ、懸垂ができないからといって全く歯が立たないということはないだろう、というのがこの記事の趣旨である。
もちろん懸垂ができれば余裕をもってクリアできるようになるとは思うが、エンジョイ勢としてはなかなか難しいものがある。
スパルタンレースとは?
スパルタンレースはアメリカ発祥の本格的な障害物レースである。
日本でも年に数回開催されている。
階級が複数あり、比較的容易なSPRINTは約5kmのコースに障害物が20個、上級者向けのSUPERは約13kmのコースに障害物が25個ほど配置されている。
障害物をクリアしつつ、ゴールまでのタイムを競う。
モンキーバーとマルチリグは障害物の1種である。
モンキーバー・マルチリグはどんな種目?
動画を見てほしい。要は雲梯であり、使う体の部位や動きは似ている。
使うのは基本的に手と腕である。まずぶら下がること、そしてその状態から次のバーやリングに移動することを繰り返していく。
ぶら下がる・次のバーに移動するとはどういうこと?
まず、「ぶら下がっている」という状態について考えてみる。
あまりに当たり前すぎて言うのもはばかられるが、「ぶら下がっている」ということは手と棒の間の摩擦力と重力が釣り合っているということだ。
摩擦力が重力より小さければ下に落ちる。
摩擦力は接触面に垂直な方向の力と摩擦係数の積で表される*1。
垂直方向の力は握力である。ぶら下がるために必要なのは握力であり、腕力ではない*2。
摩擦係数は現時点ではなんともいえない。ただ、1より大きければぶら下がるために必要な握力は体重以下となり、1より小さければ体重以上の握力が必要になりそうだということはわかる。
さらに、バーからバーへ移り変わる際には瞬間的に片手だけで全体重を支えることになる。
どのくらいの力が必要?
移動ではなくぶら下がる状態を考えると、使うのは両手であるため、それぞれが体重の半分を支えればよい。
また、人の皮膚の摩擦係数は1.0~2.5程度であるらしい*3*4。バーの状態にもよるが、話を単純にするために摩擦係数は1とする。
すると、握力は体重の半分は出せなければぶら下がることすらできない。
動画を見ると、スムーズに進んだ場合でも移動には30秒~1分程度かかる。最低でも体重の半分の握力をこの時間出し続ける必要がある。
さらに、次のバーへ移る際には片手だけが棒に触れるため、一瞬だけでも全体重の分の握力を出せることが望ましい。
摩擦係数を上げればより少ない握力でよさそうである。これについては後述する。
トレーニング
成人男性であれば、体重が100kg超というような人でもない限り、体重の半分の握力を出せない人は少ないだろう*5。
仮に出せなかったとしても、ハンドグリップを使えば数週間で出せるようになるはずだ。ドンキやAmazonで売っている。
(少なくとも私にとって)問題となるのは持久力のほうだ。
これを解決するため、ひとまず何も持たずに手を握って1秒キープし、手を開く、というトレーニングを1セット50回、1日3セットすることにした。
これは毎日やっている。
次に、ぶら下がるトレーニングをする。
近所に自分の身長より高い鉄棒があればそれでよいし、なければブランコを薦める。
ぶら下がった状態で30秒キープする。初めはできないため、10秒からはじめて時間を延ばしていく。これを3セットやる。
できれば、ぶら下がった状態で片手を離す。また、ぶら下がった状態で前後に体を揺らしてみる。
ぶら下がれただけではクリアは遠い。次のバーからバーへと移るという動きは実際にやらなければ身につかない。
Googleで「地名 雲梯」と検索したところ雲梯がある公園が出てきたため、そこで練習することにした。
また、攻略動画では移動の際に腕が伸び切っておらず、腕が曲がっていることがわかる。これは腕や肩の筋肉で体を支えていることを意味している。
私は懸垂ができないため、攻略動画のような動きは到底できないが、一応腕力も鍛えることにした。
いわゆるインバーテッドロウだ。
公園でのトレーニングは週2~3回程度やっている。
雲梯はモンキーバー対策にはなっても、マルチリグの対策になるとは限らない。
ただ、マルチリグの練習ができるところは身の回りにはないため、今回はトレーニングしない。
摩擦係数を変える ~道具による補助~
スパルタンレースでは泥の中をほふく前進したり、泥まみれのジャングルジムのようなものを登ったりするため、グローブがあると楽になる。
モンキーバーやマルチリグでも、棒が冷たかったり汚れているとやりにくいため、手袋をつけて取り組むことになるだろう。
したがって、考えるべきはヒトの皮膚ではなくグローブの摩擦係数ということになる。
安価なものとして軍手が考えられる。実際、私は前回のレースで軍手を着用した。
ただ、軍手は摩擦係数が小さく、素手よりもすべりやすい。
代案として作業用のゴム手袋がある。ダイソーやワークマンで売っている。
天然ゴムの摩擦係数は1以上らしい。私はダイソーのものを使っているが、確かに素手と変わらないかそれ以上に楽にぶら下がれる。
さらに、摩擦係数を1.2とすれば、必要となる握力の最大値は体重70kgの場合、約58.3kgとなる。
まとめ
手袋は安いので、適当に買って試してみると良いと思う。
今週調べた単語 (190204~190215)
青と夜ノ空
吉祥寺駅から五日市街道を東へ進んだ先にある古本・絵本などの販売店。
DEMEL(デメル)
https://demel.co.jp/?utm_source=top&utm_medium=menu&utm_campaign=home
イドラ
F.ベーコンの用語。経験の正確な観察のために排除すべき先入見として4つの偶像,種族のイドラ,洞窟のイドラ,市場のイドラ,劇場のイドラ,をあげている。
数寄者
風流人。とくに茶の湯を趣味とする人。本来は〈好き者(もの)〉の意で,《伊勢物語》などでは好色な男を指すが,中世になって風流を好む人を意味するようになり,《日葡辞書》には〈茶の湯の道とその修業に打ちこんでいる人〉とある。
今週調べた単語 (190127~190203)
ヘッダーガード
include文はそのファイルの記述を機械的に展開するだけであるため、複数のファイルで同じヘッダーをincludeした場合、変数などの定義が重複(複数回定義)される可能性がある。
そこで、ifndef文で定義を囲い、重複を回避する。
【C++】.hpp .hファイルって何だ?! - OFとC++初心者の日記
KPI, KGI
KPIはkey performance indicatorの略で、組織やチームで設定した最終的な目標を達成する際における中間指標のこと。「重要業績評価指標」などと訳される。
また,KGIはKey Goal Indicatorの略で、「重要目標達成指標」などと訳される。
KGIは組織やチームで設定した最終的な目標であり、そのゴールに近づくための中間的な指標がKPIでである。
例えば、KGIを「年間の売上1億円」とすると、月の売上は1000万円程度が目安となる。これをKPIとする。
逆に、「10年で売上を10億円まで伸ばす」というKGIを掲げれば、年間の売上はKPIになる。
このように、達成したい目標のスケールによって同じ成果であってもKPIになったりKGIになったりする。
漫然と作業をするのではなく何がKGIで何がKPIなのかを意識することが重要なようだ。
「KPI」とは? 正しい意味と使い方、その効果とKGIも紹介【ビジネス用語】 | マイナビニュース
即身仏
僧侶が瞑想状態のまま絶命して仏になったもの。
密教系の日本仏教の一部では、僧侶が土中の穴などに入って瞑想状態のまま絶命し、ミイラ化した物を「即身仏」(そくしんぶつ)と呼ぶ。仏教の修行の中でも最も過酷なものとして知られる。
似た単語に即身成仏というものがある。こちらは生きたまま悟りに至り、仏になることを指す。
現世において仏になることは同じだが、即身仏は「(死んだ人間が)ミイラとして、物理的な身体が仏になる」という、肉体的・物理的な意味合いが強いのに対して、(真言密教における)即身成仏は「(生きた人間が)現世に存在しながら、異次元の大日如来と結合して仏となる」という意味であり、現象学でいうところの「実在」と「現象」の結合が主眼で、物理的な意味合いは薄い。
モスラの歌
映画「モスラ」の劇中歌。インファント島の住民である小美人がモスラを呼び覚ますために歌う。
オリジナルはザ・ピーナッツが歌っており、民族的な打楽器が印象的である。