クレムリン・メソッドをまとめておく ~その3~
第7の原理:「国益」のために、国家はあらゆる「ウソ」をつく
本音であるところの国益の確保をはっきり出してしまうと、国民からの指示を得られない。嘘は方便とばかりに、本音と建前を使い分ける。
何か大義名分のようなものを振りかざしている時には、その裏にある本音を考える必要がある。
第8の原理:世界のすべての情報は「操作」されている
ローカルな話題はともかく、世界的な話題や紛争、国益の争いに関する情報はまず操作されているといってよい。
情報は誰もが平等にアクセスできるわけではない。特に影響力の大きい人間の決定は、まずその周囲の限られた人間のみに知らされるだろう。
その周囲の人々がさらにその周囲の人々に知らせる、というプロセスを繰り返すことで多くの人々(一般大衆)が知るところとなる。
すなわち、国家を動かす意思決定に関わる情報(緊急性や機密性の高い情報)は、ピラミッドの頂点にいる人間がまず握り、それが時間とともに下層の人々に伝わっていくと考えられる。
このような情報の階層を情報ピラミッドと呼ぶ。
情報ピラミッドは国家レベルでも、企業レベルでも、家庭レベルでも見出せるだろう。
国家単位で存在する主な情報ピラミッドとしては次のものがある。
日本は米英情報ピラミッドに含まれている、と北野氏は言う。
国益を同じくする場合はともかく、相反する場合には同じ事象を対象としても報道内容が異なる。なぜ違うのかといえば、それは国民を納得させるためである。
これは第7の原理とも結びつく。すなわち、本音を隠し、建前を情報として流すのである。過激な表現を使えば、これは洗脳ともいえる。
人を洗脳するには、
- 同じ情報を繰り返し与える
- 他の情報源を使えないようにする
ことが必要である。これはプロパガンダの鉄則であり、ブラック研修でもよく使われる手段である。
逆に言えば、幅広い情報源に接することができれば、洗脳を防ぐことができる。
具体的な情報源として次のサイトが挙げられている。
あと加えるならアルジャジーラあたりだろうか。
ニュースを読むうえで何に注意すべきだろうか?それは
- 主役、ライバルの動向
- 主役やライバルが衝突している紛争地域の動向
- 国益に関すること(経済、エネルギー、国防)
だと言えるだろう。そして、重要だと思った記事はコピペするとよいとのことだ。
これはevernoteのwebクリップですぐにできる。
また、BS1で朝に放送している「ワールド・ニュース」も確認すると良いらしい。大前研一も見ているとどこかで読んだことがある。
第9の原理:世界の「出来事」は国の戦略によって「仕組まれる」
主役やライバルは、覇権を守りたい、もしくは奪いたいと考える。さらにいえばどうすれば戦争に勝てるかを考え、行動している。
太平洋戦争は回避できたにも関わらず、ルーズベルトはそれをせずに日本に先制攻撃をさせるように仕向けた、というのがフーバー大統領の回顧録から明らかになりつつある。
このように、主役やライバルの意図を考えることが重要にである。それを推測しなければ、こちらの動きは決めようがない。
もちろんすべてが思い通りに動くわけではないだろうし、きっかけは偶発的なものであるという場合もあるだろう。ただ、歴史を紐解いてみると、往々にして各国は戦略を策定し、それに基づいて動いており、個々の出来事はその戦略の結果にすぎないことが多い。