千年戦争アイギスのAigisつづり問題 ~ラテン文字転写~
(5/17) キャラ名の由来について追記しました。
dmm gamesの「千年戦争 Aigis アイギス」の広告をウェブサイトや電車で見かける。
(画像は拾い物)
パッと見て気になったのは、「このAigisというつづりは間違っているのではないか?」ということである。
アイギスはギリシャ神話に出てくるアテナの防具(創作では盾として出てくることが多い)の名前であり、イージス艦のイージス(Egis)はアイギスの英語読みである。AigisではなくEgisか、Aegisではないか?
そこでwikipediaで確認してみた。
アイギス(古代ギリシャ語: Αιγίς、ラテン文字転写: Aigis)とは、ギリシア神話に登場する防具。主神ゼウスのものとも、ゼウスが娘の女神アテーナーに与えたものともされる。ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされている(ゼウスの防具とされる際は、天空と雷の神である彼の性質から雲の象徴ともされる)。鍛冶神ヘーパイストスによって作られたとされ、形状は楯であるとも、肩当てまたは胸当てのようなものであるとも言われている。幼少時のゼウスに乳を与えた山羊・アマルテイアの皮が張られているとも言われる。なお、「アイギス」とは元々、山羊皮を使用した防具全般を指す名称であった。
ラテン語ではアエギス (Aegis)、英語ではイージス (Aegis、Egis)。日本語ではその他、アイジス、エイジス、エージス等の呼称、表記もされる。
太字にしたのは私である。結論から言えば"Aigis"は間違いではない。
どうやら古代ギリシャ語表記である: Αιγίςを、ラテン文字転写にするとAigisとなるらしい。ラテン語ではAegis(アエギス)、英語ではAegis、Egis(イージス)らしい。
ラテン文字転写(ラテン文字化ともいう)とは、本来ラテン文字で表されていない文字をラテン文字で表す試みらしい。日本語のローマ字表記がその一例である。
この場合だと、ラテン語の「アイギス」を指す単語の表記は"Aegis"であるのに対し、ギリシャ語での表記をラテン文字転写すると"Aigis"になるということのようだ。1対1に対応していないのは面白い。
日本語で考えれば、「犬」は英語では"dog"だが、ローマ字で書く(転写する)と"inu"になる、という感じだろうか。日本語と英語の場合は"inu"と"dog"は全く異なるので混同しないが、ラテン語とギリシャ語は近いために"Aigis"と"Aegis"という似た表記ができてしまう、ということらしい。
私はラテン語や英語の表記しか知らなかったので、ギリシャ語の転写を見て間違っているのではないかと思ったのである。"inu"と書いてあるのを見て"dog"のはずだろと思ってしまったということだ。勉強になった。
元の言語(古代ギリシャ語・日本語) | ラテン転写 | 英語(ラテン語) |
Αιγίς | Aigis | Aegis |
犬(いぬ) | inu | dog |
表にするとこうなる。
そう考えるとこのゲームの「アイギス」はラテン語ではなく、ギリシャ語に基づいているということになる。"Αιγίς"ではなんのことだか分からないため、"Aigis"にしたということだ。あえてギリシャ語にする理由があるのかは知らないけれど。
ゲーム名ではなく、キャラ名の由来についてまとめているサイトがあったので載せておく。
見たところキャラ名の由来は様々な言語が入り混じっており、統一感があるとは言えない。Aigisについてもそこまでこだわりはなかったのかもしれない。