行動デザインシートでストレスリリーサーに行き着いた話

デスクワークが多いと、画面や紙の活字を眺める機会が多くなる。

このとき、右手はマウスやペン、紙などでふさがっているが、左手は空いている。

私の場合、空いた左手で鼻を触ることが多い。

というのも、アレルギー性鼻炎のせいで年中鼻がムズムズしているためだ。

鼻を触ったり掻いたりしていると、当然鼻の皮がむける。

これはみっともないため、改善したいと考えた。

ただ、鼻にクリームを塗るという程度では対処療法にしかならない。

アレルギー性鼻炎を治すという方法もあるが、高くつくため手が出ない。

鼻を触る癖を矯正したい。

鼻を触るというような、日頃やりすぎている行動や癖を過剰行動と呼ぶ*1

過剰行動を改善するための手段として、行動デザインシートというものがある。

行動デザインシートは行動分析学に基づいている。

行動分析学によれば、過剰行動が生じる背景には次の4つの原因があるという。

  • 行動のきっかけがある、多い(先行子がある)
  • ハードルが低い(反応努力が小さい)
  • ライバルがない(競合反応がない)
  • すぐに効果や楽しみが表れる(強化の関係がある)

これらのそれぞれについて、今どうなっているかを考え、解決策を考えるための表が行動デザインシートである。

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今回の場合、表を埋めると次のようになった。

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活字を見ないようにしたり、募金するというのは過激だ。また、重りや絆創膏というのは面倒である。

実行しやすいのは「代わりに触るものを作る」ことだろう。

調べてみると、こんなものが見つかった。

ストレスリリーサーというとなんだか身構えるが、野球ボールより二回りほど小さいサイズのスライムのような物体である。

程よい弾力で、鼻を触る頻度が確かに減った。

触るのに飽きたときはどうなるかわからない。しばらく様子を見てみようと思う。

行動デザインシートは過剰行動の抑制だけでなく、不足行動の促進にも使える。

三日坊主を卒業したい時や、禁煙を成功させたい時には使えるかもしれない。

行動デザインシートについて参考にしたもの

*1:行動分析学の用語。逆に、続けたいがつい怠けてしまうような行動を不足行動と呼ぶ