クレムリン・メソッドをまとめておく ~その1~
大前提 ①「あるがまま」に「事実のみ」を見る
言葉ではなく、行動を見る。
愛が事実を見る妨げとなる。
大前提 ②特定の「主義」「思想」に偏らない
第1の原理:世界の大局を知るには、「主役」「ライバル」「準主役」の動きを見よ
全ての国の動向を見るのは難しい。国々を世界の動向に与える影響力の大きいナンバー1である「主役」と、それを追うナンバー2である「ライバル」、そしてその2つには及ばないまでも影響力を持つ「準主役」に分け、それに注目する。
役は主に経済力と軍事力で決まる。
経済力はGDPを見る。また、その国の個人の豊かさは一人当たりGDPを見ればよい。
軍事力は軍事費を見る。また、核兵器を持っているかどうかも重要である。
現在核兵器を有するのは米英仏露中に加えてインド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮である。
軍事費が大きいからと言って兵力が大きいとは限らない。
また、政治的なステータスとしては安保理の常任理事国かどうかも重要な要素である。
つまり、米英仏露中は大きな影響力を持つといえる。
第2の原理:世界の歴史は「覇権争奪」の繰り返しである
主役はその座を守ろうとし、ライバル・準主役は主役になりたがることがある。
なぜそうなるかはともかく、歴史を見るとそうなっている。
たとえ日本にその気がなくとも、相手がどうかは分からない。
第3の原理:国家にはライフサイクルがある
国家のステージは「移行期」「成長期」「成熟期」「衰退期」に分けられる。
移行期では政情が不安定であり、まともな政策がとれない状態を指す。
成長期では政情が安定し、経済成長と人口の増加が見られる。
つまり、移行期から成長期に移るには
政治の安定
まともな経済政策
が必要になる。
中国やインドは成長期と言える。中国は成熟期に近づいているが、インドはまだ成長期が続きそうな見込みである。
成熟期では国民が豊かになり、経済成長と人口の増加が落ち着く。
つまり、成長期から成熟期に移ったかどうかを確かめるには
人口・経済成長が鈍化
したかを見ればよい。
国が豊かになっていくと、賃金が上がっていく。
企業にとっては、国外で生産した方が人件費を安く抑えられる。そのため、リストラして国内の人員を減らしていく。
失業者は税金を払えず、また失業者手当は税金から支払われる。企業が外国に拠点を写せば税収も減るため、国の財政は苦しくなる。これが空洞化である。
また、生活にかかるコストも増加していくため、子供を作るだけの経済的な力を持つ人の数が減っていく。
これらを解決するには移民政策が考えられるが、欧米では移民による犯罪が多発しており、問題となっている。
欧米や日本は成熟期と言える。
衰退期では財政赤字が増大し、治安が悪くなり、政情が不安定になっていく。
成熟期から衰退期への移行したかを確かめるのは難しい。
確かなのは、これらのライフサイクルが不可逆であるということである。
つまり、一つの期間が長く続くことはあっても、成熟期から成長期に戻る、というようなことは起こらない。