友人に彼女を紹介させてほしいと言われたらどうするか?

事の発端

私の友人(男性)がこんなことを言ってきた。

恋人(女性)が、自分の友達を紹介してほしいと言ってくる。実際自分はもう恋人の友人を紹介されている。そのお返しと言ってはなんだが、ともかく会ってみたいらしい。というわけで一緒に食事でもしないか。

 

この友人に限らず、知人の恋人に会うというのは私には初めてのことである。正直面倒ではあるけれど、特別断る理由もない。

気になるのは、なぜその恋人は友人を紹介してほしいと言い出したのかということである。それによって当日の私の態度や話題選びが変わってくる。私は別に彼女を寝取ろうなどと思ってもいないし、友人が彼女と付き合っている事実に不満があるわけでもない。旨い料理が食べられて、恙なく終わればそれでよいのだ。

 

簡単に検索してみると、

「彼氏の友人に自分を紹介してほしいがしてくれない。どういうこと?」

という彼女目線の内容がよくヒットした。

女子にとって、彼が友人に自分を紹介してくれるかどうかは正直、気になるところです。

彼氏は彼女を友だちに紹介したくないのが本音? 女性とは真逆な男性の恋愛心理|「マイナビウーマン」

なお、彼氏目線(彼女を紹介すべきか?)の記事や、男性側が女性に求める記事については見当たらなかったのは興味深い。

女性にとっては、彼の友人に自分が紹介してもらえるかどうかは結構な問題らしい。これは私の周囲にいる女性(10人程度)に聞いても支持が得られた。

ただ、これはカップルの問題であり、紹介される友人については触れられていない。私が知りたいのは友人の立ち回りについてである。よって以降は周囲の女性への聞き込みをもとに、友人の置かれた立場とそこで取りうる選択肢について考える。

 

彼女は何を知りたいのか?

記事によると、彼女としては彼氏の素を知りたいらしい。そのために素を知る友人に会いたがるのである。また、自分が紹介されるということそのものが彼氏が自分を大切に思っているという証になる。友人そのものは二の次である。

また、もう一つの理由として、マンネリ解消が挙げられるらしい。これも要は彼の新しい一面を知りたい、ということである。結局のところ、ベクトルが彼氏か彼女自身に向いているのだ。彼女としてそれを知りたいのは理解できるが、友人としてはたまったものではない。

そもそも、素とはなんなのか?素を「いつも通り」と捉えれば上の対応ということになる。例えば裏表のない彼氏の場合あまり普通でも彼女としてはマンネリ解消にはならないだろう。

そこで、素を「彼女が知らない彼氏の一面」と捉えてみる。ただ、「彼女が知らない彼氏の一面」を下手に友人が暴露したり、そもそも友人の挙動が不審である場合、カップルの仲に亀裂が入りかねない。

まとめると、彼女側の要請は、

  • 基本的にはいつも通りに振舞う
  • ただし、引かれない程度にする
  • 彼女の知らない彼氏の一面を出す
  • ただし、引かれない程度にする

ことだと考えられる。常識的な結論である。彼氏の品位を落とすような振る舞いは駄目である。

 

彼氏はどう振舞ってほしいのか?

次に彼氏の要請を考える。当然ながら彼氏は彼女の意図に気付いている。彼氏の目的は彼女の欲求を満たすことにある。

よって、彼氏の要請としては

  • 彼女に不快感を与えないように振る舞う
  • ただし、自分より魅力的であってはならない
  • 彼女が満足するような話題を提供する
  • ただし、自分に都合の悪い情報は出さない

ことが挙げられるし、そのような友人を選び、NGの話題について打ち合わせるはずである。すなわち、友人として選ばれた場合、色々な意味で「安全」であると判断されたということだ。

 

では、実際どう振舞うのが良いのか?

最後に、友人であるこちらの立場を考える。今回のケースが、一般に他人を知人から紹介される場合と違うのは、紹介される側の思いが反映されにくいということだろう。すなわち、その会において主導権を握りにくいということである。なぜなら、私は「安全である」と判断され、そのように振舞うことが求められているためである(実際はともかく)。

少なくとも日本における食事会の場合、その会で誰が主導権を握っているかを判断することは重要である。ここでいう主導権とは単に会話のそれではなく、その会の成否やテンション、盛り上がりを決定する立場を指す。この辺りは「「美女と野獣」の野獣になる方法」に詳しい。

 

「美女と野獣」の野獣になる方法 (文春文庫 み 35-2)

「美女と野獣」の野獣になる方法 (文春文庫 み 35-2)

 

こちらの立場は、言わばカップルの情報ゲーム(言い過ぎだが)の双方のサポート役である。これはこれで面白いが、黙ってこの立場を受け入れるわけにはいかない。事前に次のことをこちらから主張していくのは当然と言えるだろう。

  • 店を指定する(できれば食事代も出させる)
  • 彼女側も誰か連れてくるように言う

もちろん、あまり主張しすぎるのも問題である。また、友人を立てるには、指定するにも良い店を知っておく必要がある。

 

次に、当日の行動である。

主導権を握りにくいのは事実だが、逆に言えば放っておいても会話が進むということである。基本的には相手に合わせていくことになるだろう。

こちらから提供する話題の参考になるものとして思いつくのは、「新婚さんいらっしゃい」である。厳密には2人は結婚しているわけではないが、まあいいだろう。

まずは夫婦の出身・年齢・夫の職業を確認し、妻に2人の馴れ初めを聞く。そして必ず最近はどのように結ばれたか詳しく話してもらう。ただ結ばれる過程が重要であって下ネタの話になるとそこで打ち切られ、新婚生活の不満や相手に対しての希望を話してもらう。その際、不満がでると文枝が必ずこの機会に改善してくれるように頼んだり、相手に謝らせたり、和解させようとする。この設定はたいていどのカップルにも適用される事になる。エッチな話をさせる場合はたいてい片方にだけ話をさせて番組を盛り上げるが、その際タイミングを見計らって文枝はイスから倒れたり、驚いたりするパフォーマンスを取る。ただ番組自体が下品にならないように、結ばれるという表現をし、深い話にならないうちにすぐに打ち切る司会をする。その際山瀬は「すごい」「お、やった」等、感嘆詞を使いカップルの行動の評価には触れない。

新婚さんいらっしゃい! - Wikipedia

まとめると

  • 自分の素性
  • 彼女の素性
  • なれそめ
  • 互いの魅力
  • 希望や不満

がベタな項目だろうか。普段は言えないが、第三者がいるために言える話題を選びたい。彼氏とのラインなどを見返したり、彼女について相談してきたことがなかったか確認しておくといいだろう。

話題によっては、どちらかの肩を持ってポジショントークしていくことも必要になる。

例えば、彼女の肩を持つ(彼氏側に対抗する)なら

  • 彼氏には他にもあんな友達やこんな友達がいるので、紹介してもらえと唆す
  • あえてNGリストから話題を選ぶ(仄めかす)
  • 彼女を口説きにかかる

上2つは交渉材料としても使えるだろう。3つ目は自己責任で。

彼氏の肩を持つなら

  • 良い店を選び、良い友人であることを示す
  • 彼氏に世話になったこと、彼氏の武勇伝を話す
  • とにかく彼氏を上げる、ほめる

ことが考えられる。おそらく彼女も得をする無難な案である。

 

長くなってしまった。これまでが準備編である。考え過ぎだろうというのが感想だが、いろいろ考えてみるのは面白い。同じ結論に至るのでも、考えて選ぶのと何も考えないで選ぶのとでは決断の質が変わってくると思うのだ。

まだ私は紹介されていないため、その後については別のエントリで書くことにする。

また、ここでは可能性が低いだろうということであえて触れなかった、「彼女のベクトルが自分(友人)に向いている場合」についても改めて書くことにする。