『経済ってそういうことだったのか会議』 第6章 アジア経済

この本が書かれたのは、アジア通貨危機が起きて間もない頃だった。アジア通貨危機とは、1997年7月よりタイを中心に始まった、アジア各国の急激な通貨下落(減価)現象である。 佐藤の疑問は、アジア通貨危機はなぜ起きたのかということである。 通貨危機の始…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第5章 通貨

自国通貨を持つというのはどういうことなのか? この本が作られた当時はユーロが誕生するかしないかというタイミングだった(現金通貨としてのユーロが誕生したのは2002年)。佐藤の疑問は、なぜ欧州はユーロが必要だと判断したのかだった。 すなわち、自国通…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第4章 アメリカ経済

なぜアメリカはアメリカになり得たのか? 佐藤の疑問は2つある。 アメリカはなぜ他国の問題に当然のように首を突っ込んでくるのか? アメリカ人はアメリカンドリームをはじめとする、ビジネスゲームになぜ躍起になって勝とうとするのか? 少々偏っている気も…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第3章 税金の話

民主主義は税金から始まった? 民主主義は税金の問題から始まっているという。かつては王様の内ポケットと国家財政の区別はなく、無駄遣いされがちだった。すると財政赤字となり、税金を上げる。当然国民の生活は苦しくなり、国が亡ぶ。 そこで、議会によって…

『なぜこの人と話すと楽になるのか』・『なぜあなたの話はつまらないのか』 ~こちらが話す~

前回の記事では雑談としてのコミュニケーションとして、「聞く」ことに焦点を当てた。 armik.hatenablog.jp 雑談においては、基本的には聞いていればよい。しかし、時には自分の話を求められることもあるだろう。また、自分の話をすることで相手も話しやすく…

『なぜこの人と話すと楽になるのか』・『なぜあなたの話はつまらないのか』 ~話を聞く~

(2018/10/15) 段落などが読みにくいため少し修正しました 「コミュ障」という言葉が広く使われている。「コミュ障」という単語が意味するのは、情報の共有が苦痛というよりも、他愛のない雑談が苦手であるということである。 コミュ障(こみゅしょう)とは、…

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 その4

いよいよ映画の題材となった、首相就任からの動きを見てみる。この記事で扱うのはやはり演説である。 チャーチルが演説を最大限に活用するようになったときに、ヒトラーは逆に演説を行わなくなったのは興味深い事実である。(中略) チャーチルが首相に就任し…

Googleドキュメントにandroidで音声入力した後、「てん」や「まる」といった文字列を「、」や「。」に一括で置換するスクリプトをGoogle Apps Scriptで書いた

音声入力が実用に足るようになって久しい。そこで、本の内容をいちいちメモに取ったり、キーボードで入力する手間を省くべく、音声入力を使い始めた。 私が持っている入力デバイスは、XperiaZ5とiPad miniである。XperiaではEdvoiceというアプリを使っている…

『自己評価の心理学』 第11章 自己評価をよくするにはどうしたらよいか

第10章で見たような、短期的な方法ではなく、自己評価を全面的に改善しなければならないこともあるだろう。それはどうやって行えばよいのだろうか? 自己評価を変えるのは可能である 自己評価は時間や出来事をきっかけに変わっていく。 自己評価が改善される…

『自己評価の心理学』 第10章 自己評価の応急処置

自己評価は日々の出来事で変わっていく。 私たちは知らず知らずのうちに、自己評価を上げようとしたり、守ろうとしている。 自己評価が脅かされそうなとき、どのような行動を取るか見てみる。 自己評価の主要な防衛機制には次の7つが挙げられるという。例と…

『自己評価の心理学』 目次

序章 第1部 あなたは自分をどう評価していますか 自己診断してみてください 第1章 自己評価の3つの柱 自分を愛する 自分を肯定的に見る 自信を持つ バランスの取れた自己評価 自己評価は一つなのか複数なのか 自己評価の栄養源 第2章 肯定的評価と否定的評価…

『自己評価の心理学』 序章

序章だけでも刺さる人には刺さると思うので載せておく。 「私、自分のことが好きじゃないんです……。 子供のころには<別の人間になりたい!>って、よくそう思ったことがありました。自分のことが―自分が自分であることが嫌で嫌でたまらなかったんです。もっ…

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ~その3~

チャーチルとユーモア ウィットに富んだやりとりも多く残されている。いくつか例を挙げる。 前回の社会保障制度の財源のために、ロイド・ジョージ財務相は増税を予算案に盛り込んだ。これを保守党は貴族院で否決し、アスキス首相を総選挙へと追い込んだ。与…

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ~その2~

記事と同名の本の印象に残った個所をメモしていく。 陸軍士官学校を卒業したチャーチルは、戦場に赴くようになり、その体験を記事にして実績を積み上げていく。 1896年、22歳の時に赴任したインドでのこんなエピソードがある。 インドに赴任すると、行動する…

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ~その1~

少々流行から遅れ気味なのだが、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が上映されている。 この作品は日本人アーティストの辻一弘氏が、第90回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したことでも話題を呼んでいる。 www…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第2章 その2

前回の記事の続きである。 armik.hatenablog.jp ダウって何? ダウ平均(ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average - DJIA))は、30の会社の平均株価を求めて、マーケットが今どの方向に向いているかの手がかりにする指標の一つである。強気(上昇)か弱…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第2章 経済のあやしい主役 ~株の話~

そもそも株とは何か?これを考えるには、まず株がいつ、どのようにして生まれたかを見てみるのが良いだろう。 世界最古の株式会社 世界最古の株式会社は、東インド会社である。東インド会社は主に貿易と植民地経営をしていた。東インド会社はイギリスのもの(1…

『経済ってそういうことだったのか会議』 第1章 お金の正体

頭にとどめておくべきだと思ったことをまとめる。 まず、お金とは何か?という問いを考える。 竹中:お金には三つの違った使い方があるんです。まず第一は、何か価値のあるものを測るときの尺度としての使い方。(中略)お金は「別のお金の尺度」にもなるんで…

映画のスクリプト(脚本)で英語を学ぶ

結構前のものなのだが、こんな記事がある。 readingmonkey.blog.fc2.com 内容はタイトル通りで、アメリカ映画ベスト100の一部の作品の脚本へのリンクが一覧になっている。 ある程度のレベルに達した英語学習者にとって、洋画は良い教材になる。特に近頃はNet…

友人に彼女を紹介させてほしいと言われたらどうするか?

事の発端 私の友人(男性)がこんなことを言ってきた。 恋人(女性)が、自分の友達を紹介してほしいと言ってくる。実際自分はもう恋人の友人を紹介されている。そのお返しと言ってはなんだが、ともかく会ってみたいらしい。というわけで一緒に食事でもしないか…

千年戦争アイギスのAigisつづり問題 ~ラテン文字転写~

(5/17) キャラ名の由来について追記しました。 dmm gamesの「千年戦争 Aigis アイギス」の広告をウェブサイトや電車で見かける。 (画像は拾い物) パッと見て気になったのは、「このAigisというつづりは間違っているのではないか?」ということである。 アイ…

10代の新入生に薦める『武器としての決断思考』

大学生のうちに身につけて損はないと思うのは、意思決定の方法である。 ここでいう意思決定とは企業をはじめとする社会人のそれを指す。 すなわち、消費者ではなく生産者としての意思決定の方法である。 大学を卒業すればたいていの場合は社会に出て働き始め…

エピソードトーク

全ての女性に当てはまるわけでもないのだろうけれど、女性は実にエピソードトークが上手いと思う。具体的には、「今日こんなことがあって」という風に始まる話だ。 何があったのか詳しいところまで再現しながら話を進めていく。聞いていてもよくそんな細かい…

NDC(日本十進分類表)の覚え方 ~その2~

続いて要目表(1の位)についてまとめる。 前のエントリでも述べたが、数が多いので全て覚える必要はないと思う。 そのため私は41の数学、42の物理、53の機械工学・原子力工学、81の日本語、91の日本文学だけを覚えている。これはよく目にする分野であるため…

NDC(日本十進分類表)の利用とその覚え方(大まかな傾向)

180504 少し文言を修正したり、リンクの追加を行いました。 190627 ankiへのリンクを追加 私はよく図書館を使う。その時の本の借り方としては、お目当ての本を予約して受け取りに行くか、予め検索してその本の場所を把握し、その書棚に直行する、というケー…

クレムリン・メソッドをまとめておく ~その4~

第10の原理:戦争とは「情報戦」「経済戦」「実戦」の3つである すなわち、戦争とは軍同士の衝突によって始まるというのではないということである。 太平洋戦争の開戦は1941年12月8日の真珠湾攻撃とされているが、アメリカが日本を仮想敵国とし、戦略策定を…

クレムリン・メソッドをまとめておく ~その3~

第7の原理:「国益」のために、国家はあらゆる「ウソ」をつく 本音であるところの国益の確保をはっきり出してしまうと、国民からの指示を得られない。嘘は方便とばかりに、本音と建前を使い分ける。 何か大義名分のようなものを振りかざしている時には、その…

クレムリン・メソッドをまとめておく ~その2~

第4の原理:国益とは「金儲け」と「安全の確保」である 金を稼がなくては生きていけないし、覇権を握ることもできない。まずは経済の成長が最重要課題となる。そして、安定した経済活動を行ったり、政治基盤を盤石なものにするには国民の安全の確保が必要で…

クレムリン・メソッドをまとめておく ~その1~

大前提 ①「あるがまま」に「事実のみ」を見る 言葉ではなく、行動を見る。 愛が事実を見る妨げとなる。 大前提 ②特定の「主義」「思想」に偏らない イデオロギーは固定観念を生み、物事を見る上で邪魔となる。 第1の原理:世界の大局を知るには、「主役」「…

ゴルフの水切りショットに見る水切りの原理 ~その2~ 加わる力は何か?

前回の記事で、水切りにおいて水面が石に及ぼす力が水の慣性に起因する抵抗力であるらしいと述べた。参考にしている論文では、この結論にたどり着く前にいくつかの候補(弾性力・粘性応力・重力・浮力)について検討している。 ゴルフの水切りショットに見る水…